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氾濫する変な表記

パソコン用語って一体...

Windows 95

どうも Windows 95 の表記はいろいろとだ。

よく言われるのが、「終了」が「スタート」メニューの中にあるという笑い話だが、それ以外にも「マイコンピュータ」とは果たして何者なのか? プロパティとは一体何を意味するのか? など、Windows 95が出現してから初めて聞く、変な言葉のネタには事欠かない。

とりあえず、上記のような問題は、慣れれば何とかなるとして、許せないのが半角カナの乱用。今のワールドワイドなネットワーク全盛のご時世に、OSそのものが半角カナを乱用しているのは、いちいち挙げるときりがないが、とにかく不都合である。特に、DOSプロンプトを度々使う筆者としては、

C:\>CD \WINDOWS\デスクトップ (←ほんとは半角カナ)

などとしなくてはいけないのは、甚だ迷惑な話で、心底不快である。特に、使う頻度の高いディレクトリに限って、変に半角カナ化されているので、これはMS日本法人の陰謀じゃないかと疑うことしきりである。初心者にも、開発者にも優しくないこの翻訳、いっそ潔く「私の文書」とでもして欲しい...

NetScape

アンチMS派の方々が頷く姿が目に見えるようだが...(笑)、MSに限ったことぢゃぁないぞ!! たとえば、NetScape(の特定バージョン)において、ダウンロードの際に出てくる二択ダイアログ:

アプリケーションを選択/文書を保存する

おいおい...。ソフトをダウンロードしようとしているユーザーにとって、「文書を保存する」?? これじゃなんのことだがさっぱり解らんだろうがー(怒)。これでは、「終了」が「スタートメニュー」の中にあるWindows 95以下だと思うのだが...!?

実は、NetScape英語版の表記を見ると、下記のように正しい表記がなされているのである。

「アプリケーションを選択」→ Open By Selecting Application Software.
「文書を保存する」→ Download this archive.

あぁーっ、もとはこんなにまともな表記なのに、根助(誤変換)の日本語訳をしたのはいったい誰なんじゃぁー!! 各々、「実行する」「ダウンロードする」でいいじゃないかー。「お気に入り(A)」などという変な言葉を使っている IEよりましだって??(笑)

Outlook Express

おお、そういえば、こんなの(MS Outlook Express)もあるぞ...。

MS Out Look

自動的にアドレスを完了する?? ああっ、なんて意味不明なんだ。英語版が手元にないのだが推測するに、「complete the insufficient address automatically」か何かの直訳ではなかろうか...。翻訳担当者は変だと思わなかったのだろうか?? 本当に意味が分かって書いてるというのだろうか?

パソコン初心者に襲い掛かる呪文の数々

インストールって、何よ?

大体、コンピュータを初めて手に取る者にとっては、いろいろと謎の呪文が多すぎる。

開く、閉じる、アイコン、パス、拡張、ショートカット、サーバー、ドラッグ、アーカイブ、インストール、プロパティ、マウス、設定、ネットワーク、リセット、クリック、ホスト、圧縮、解凍、フォルダ、半角、全角、ごみ箱、SCSI、初期化、ヘルプ、割り込み、レジストリ、組み込み、添付ファイル、アクティブ、文字コード、増設、メモリ、ブート、コネクタ、モデム、テンプレート、固定ディスク、プロバイダ、アプリケーション、フォーマット、BIOS、シャットダウン、起動、ダウンロード、再起動、保存、コピー、ペースト、キャンセル...。

もう見るも無残な呪文の数々。

特に、インストール、アプリケーション、リセット、開く/閉じるについては、初心者には難解、かつ、出現頻度も極度に高く、非常に辛いところである。

「インストール」→昔、「コピーとインストールは何が違うの?」と聞かれて面食らったことがある。確かに、非常に重要かつクリティカルな疑問で、逆に、パソコン用語の慣例を鋭く抉っているものかもしれない。この場合、レジストリ、DLL云々の厳密な説明が望まれる回答とは思えないしー。

「アプリケーション」→初心者にとってもう、「基本ソフト(OS)に対しての応用ソフト(Application Software)」などという定義そのものの意義も薄らいでいるのに、いつまでもアプリ、アプリ、といって区別するほどのものでもないと思うがー。大体、「デフラグ」「スキャンディスク」などがアプリなのかシステムの一部(OS)なのかを論じることすら、無意味なご時世ではないだろうか? アプリケーションなどという仰々しい言葉抜きに、ゲーム専用機と同じで、「ソフト」と言えばいいのに...。今のご時世、コンピュータといえば、殆どの場合、ハード+OSを指すだろう。もう、「アプリケーション」の言葉そのものを抹消してもいい時期なのではないだろうか。

開く(open)/閉じる(close) もまさに直訳なので、その概念も大概わかりにくいですよねぇ。そうそう、筆者はいまだに「開く」と「実行」の区別がよくわからなくなることが... 皆さんはいかがでしょうか?

大体、パソコンを買ってきたら、最初に聞く言葉が

「パソコンを立ち上げてみてください」(まぁ、取説には書いてないだろうが...)

をーい、どうやって立てるんだよー。「立ち上げる=ブートする=起動する=電源を入れる」の関係を理解する事ができない初心者にとって、もうこの時点で挫折を味わうこと必至である。

あと、IBMローカル用語というのがある。例えば、「拡張カード(=拡張ボードのこと)」「システムボード(=マザーボードのこと)」など、互換機メーカーとは異なった表記を使うことが多いので、混乱されないよう注意されたし。

ユーザーにとっては、語源や歴史背景や厳密性など本当にどうでもいいことで、使いやすいことや分り易いことが第一義である。覚える言葉は少ないに越したことはない。でも、こんな事書いたら、情報屋さんには怒られるんだろうなー(笑)

最初に読め、と言われても...

では、この表記は理解できるだろうか? 「Windows 95 ファーストステップガイド」(Windows 95を購入したら同梱されている、最初に読むべきガイドブック)を例に、パソコン初心者に戻って考えてみよう!!

2013年追記:筆者、改めて上記のファーストステップガイドを読み直しましたが、パソコン歴四半世紀を超えようというのに「リソースのほとんどが同じワークグループの中のコンピュータに用意されています」の意味がいまだに分からないです...(T-T)

あぁーだんだんわけが分からなくなってきた...。タッチおじさんがコンピュータを扱えるようになるのはまだまだ先の話のようだ...

初版:1998.03.09

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