0(ゼロ)とO(オー)の区別はなかなか難しい... えっ、何を今更!? と驚かれる方も多いかもしれないが、こんな当たり前のことを今更ながらに再認識しつつあったりする。
パソコンユーザのうち、多くの方は「0(ゼロ)については、O(オー)と混同しないよう、0に斜線を入れて表記する」というルールがあることをご存知だと思う。いや、むしろ「ご存知」というより、半ば「常識化」してしまっていたこともあるせいか、逆に最近ではパソコン初心者向けの記事や書籍においても、殊更に取り上げたりしていないというのが現状だ。
しかし、逆にこの現状が「常識化」したルールを再び「無効化」しつつあるというのも皮肉な話で、これはある意味、パソコン歴によるギャップといっても良いかもしれない。筆者は、1年以上前に親類(日常的にパソコンを業務に使っている)に、メールアドレスのリストをFAXする機会があって、その際、メールアドレスに含まれる0(ゼロ)の部分に例によって斜線を入れて書いて送信したところ、「マルに線が入っているのは何?」と折り返し確認の電話がかかってきたことがあった。勿論、こんな記号は通常の生活で使うことはまずないので、当然といえば当然の成り行きなのだが...。
このギャップが生じる原因の一つに、TrueTypeフォントの普及があるのではないかと思う。昔のパソコンでは、ASCII文字のゼロに斜線が入っているのは常識だったし、ワープロソフトなどでも、いわゆる「半角数字」(半角という言葉も最近は死語かもなぁ...)を扱う分には必ずといっていいほど、この斜線入りゼロにお目にかかっていたものだ。右写真は PC-9801ユーザにはお馴染みの N-88 BASIC(86) [ROM BASIC] の起動画面だが、要は、パソコンで数字を扱う場合に「斜線入りマル」の意味を知らなければ数字そのものが読めないというほど当たり前のことであったのだ。しかし、Windows あるいは MacOS といった TrueTypeフォントを搭載し、WYSIWYG を標榜する OSの普及により、通常の生活で表記しない記号である「斜線入りマル」の意義が徐々に廃れてきてしまってきたのかも知れない。逆に、プログラマの端くれである筆者にとっては、ゼロに斜線が入っていないのはとても気持ち悪く「Courierフォントに 斜線入りゼロを用意して欲しいよなぁ」などとぼやいていたりもするのだが ^^;
ところで、上記文章の中に、実は明らかなウソが書かれている。それは、下線部「こんな記号は通常の生活で使うことはまずない」という部分である。そう、実はパソコンを一切使わない人でも「ゼロに斜線」という記号は、日常的に見ている、もしくは使っている方も多いはずなのだ。そう、携帯電話である。
そういえば、と思い当たる方も多いことだろう。実際、簡単に調べてみると...(機種名アルファベット順)
機種名 | 画面 |
---|---|
au A5405SA | |
au W11H | |
DoCoMo D505iS | |
DoCoMo F505i | |
DoCoMo N505iS | |
DoCoMo P505iS | |
DoCoMo SH505iS |
こうしてみると、殆どの携帯メーカーでこの標記が使われていることにあらためて驚かされるかも知れない。携帯は国内だけでも延べ7千万台が普及しており、その殆どのメーカが「ゼロに斜線」表示を採用している以上、「ゼロ斜線」については「通常の生活でよく目にするし、普通に使用している」と言っても過言ではないはずだ。
さらに、携帯に限らず、卓上電話あるいは電卓、カーステレオ、CD、DVDプレーヤの表示部等々などでも「ゼロに斜線」の表示が採用されていることがあるので、普段意識して見られたことがない方々は、是非ともあらためて確認して欲しい。
ちなみに海外では「マルに斜線」ではなく、「マルの中央に点(ドット)」というパターンもありますので、併せてご参考まで。
2014.09.30追記:こんなのもありますね(キリンとサッポロがゼロに斜線を採用しているようです)
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