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[1996.10.27] SONY MZ-R3 (ポータブルMD)

ディスクは時代の趨勢か!?

やっぱりオーディオだよ!

筆者は、9月29日、オーディオシステムの視聴のため、当家電レビューではお馴染みの S技師宅を訪問した。

ここのシステムは、JBLの50周年アニバーサリーモデル(60万円)+McIntoshのアンプ(30万円)、さらに、TEACのCDプレーヤー(20万円)、さらに、マイクロのレコードプレーヤー(100万円相当)という、私などはその一つすら一生手にできそうもない代物であり、出発前からワクワクしていた。

さて、この視聴に伴い、筆者は所有 CD 250枚から優秀録音盤10枚を選出し持参したのだが、中でも「怪盗セイントテール~メインテーマ」は、背筋震撼驚愕ものの素晴らしさであり、持参した盤のなかでも最高の音質であると判断され、また、アニメのテーマとは思えない素晴らしさに感動された S技師も一級視聴盤として CDを借用されるという結末を迎えた。ろうろうと鳴る金管、指のタッチの聴こえる木管、弦のうねりのストリングスホールに余韻の響くトライアングル... それぞれがきりりとした粒立ちで鳴り響き、もう背筋に震えが止まらない感覚に襲われたのは確かである。

筆者はこの結果を受け、今まで凍結していたオーディオへの投資強化を進めていかねば...と固く誓ったのであった。この投資計画はミリオンオーダーになることは容易に予想され、今後暫くは、コンピュータ関連の投資の縮小もやむを得ないと判断したのであった。

ATRACは好きになれないものの...

で、さらにここでは DENONの MDプレーヤーが動作していた。これまで、MD(ATRAC)の音の悪さを見限っていた筆者にとって、このプレーヤはかなり新鮮な音に聞こえた。というか、ATRAC自体はすんなり受け入れる気にはならないものの、ここのプレーヤはトランスポートの作りがしっかりしているせいか、かなり輪郭がはっきり出ている。ついでに、ディスクメディアの操作性の良さというものは DAT愛好家の筆者としても否定できないところである。考えてみれば、愛用の DATデッキ「SONY DTC-57ES」は、テープを巻き込んでしまうなどトラブル続きだ...。

さて、それから一ヶ月。ふらふらとベスト電器に出かけてみると、ポータブル録再型 MD SONY MZ-R3があった。悪くはないが、この前新機種が出たばかりだし、今後もイイ機種が続々と出てくるんだろうなぁ...。

しかし、ここでふと考えてみると、所詮 MDではないか。使い道といえば、通勤時 BGMを聴く程度で、この場合は音質にこだわらないのだから、そんなに踏ん張ってもしょうがなく、録再一体のポータブルで十分ではないか?? むしろ、DATのフットワークの重さを補ってやるべきかも...。そういう考えが頭をよぎった瞬間、気がつくと箱を手にレジに並んでいた(笑)。

MZ-R3 レビュー

さて、使用感だが... さすがにソニー、キャビの作りと高級感は他社とは一線を画すもので、天下一品である。また、かなりマトモなキャリングケースの標準添付など、芸が細かく、満足度が高い(実際に使うかどうかは別だが)。このあたりは是非とも他社に見習って欲しいところだ。ディスクの挿抜もスムーズで、ソニーにしてはメカ的にも割合頑丈。光入力端子とアナログ入力端子が兼ねられるタイプの入力端子にはちょっとした感動を覚えた(笑)。ジョグダイアルも、思っていたよりも使いやすく、クリック感がよく伝わる(あとで使ってみた後継機種のジョグダイアルは最悪だった)

不満な点だが、まず、液晶表示は見やすいが、これには是非ともバックライトが欲しいところ。寝ながら音楽を聴くときに不便極まりない。また、録音時に、本体を動かしていないにもかかわらず、ごく稀にドロップアウト(音飛び)することがあるのがちょっと悲しい。これは再生する時まで気づかないので、かなり注意が必要だ。移動しながら録音などちょっと無理かもしれない。このあたりはバッファを増やすなど、改善を望むところだ。電池ボックスの蓋だが、これは蓋が着脱せず、紛失しないという意味では、なかなかアイディア的な作りになっているが、惜しいかな、すぐ緩んでしまい気がつくと開いている。あと、(個人的にはまったく使う事ない)キャリングケースの添付などどうでもいいから、ステレオマイクをつけて欲しかった! せっかくのポータブル録再MDなのに、魅力が半減してしまっています... えっ、自分で買えって!?(涙)


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