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[2001.01.26] Canon IXY DIGITAL (デジカメ)

結局、軽薄短小が一番!?

Canon IXY DIGITAL

PowerShot A5 Zoom を購入して早 2年経過。どこへ行くにも必ず持ち歩いてきたこのデジカメも、さすがに酷使がたたってきたのか最近調子が異様に悪い。それに、2CR5を猛烈に消費するランニングコストの悪さに辟易してきたというのもあって、新調を考えるようになってきた。そんな中、この半年間ショップに行くたびに物色していたのだが、やはり良いデジカメはそれなりの値段がするものだ。

このショップ通いの結果、真っ先に良いなと思ったのは、OLYMPUSの C2020。コストパフォーマンスも大変よろしく、なにより、カメラとしての使い勝手にとことん配慮している本当によくできたカメラだ。ただ、この C2020、ちょっと大きく持ち歩きに不便というのと、あと、個人的にどうしても許せない点があった。そう、レンズカバーがキャップ式なのだ。これはちょっと心もとない...。

というのも、この前までみみゆき様が使っていた FUJI FinePix 700もレンズカバーがなかったのだが、このタイプのものは気をつけてはいるものの、持ち歩く際ついつい手でレンズに触れてしまい、レンズが曇ってしまうのだ。そのまま撮影して、持ち帰って気づくとボケボケだったという結末となる。しかも、液晶画面ではボケボケぶりは全くわからないのでなおさら始末が悪い。北海道に行った時の写真がまさにそうだった。かといって、まさか北海道まで出直すわけにもいかず、泣き寝入り。一方の A5 Zoom は小型ながらも沈胴式のレンズにシャッターがついており、持ち歩きの際、レンズを傷つけたり曇らせたりしないという意味で、この機構にどれだけ救われたか分からない。

このあたりを考慮すると、結局、次機種として考えられるのは、(1)レンズ保護機構がついていること (2)電源は充電池式、もしくは乾電池式であること (3)なるべくなら小型軽量であること (4)ズームはついている方が良い となった。そういえば、発売直後にえいちゃんが買った Canon IXY DIGITAL はなかなかである。PowerShotが発売されて以来、Canonデジカメの究極形は IXYだと言われていただけに、IXY DIGITALの発表(キヤノン、クレジットカードサイズの「IXY DIGITAL」[impress様の記事])は衝撃的であった。その人気からか、半年以上を経過しているのに5万円弱と強気な価格帯を維持している。欲しくて欲しくてたまらないが、さすがに今時、デジカメに5万円というのはさすがに高いしなぁ...。

そんなある日、みみゆき様とビックカメラにふらりと立ち寄ると、憧れの IXY DIGITALが、なんと一気に5千円近くも値下がりして3万円台になっている!! これは見たことのない値段で、迷わず買いだ! 早速ゲット(翌週には値上げされて元の値段に戻ってしまっていたので、実際、この読みは正しかった)し、さらに「充電池はあまり長持ちしない」と聞いていたので予備の Li-ion電池も追加で購入する。

さて、持ち帰りじっくり眺める...。この質感、ホント惚れ惚れする仕上がりだ。ここで使用感だが...。

まず、とにかく小さくて濃密で重いみたいなのが正直な感想だ。まさにタバコサイズの小ささで A5 Zoomと比べても実に気軽に持ち運べる。ただ、キヤノンがカタログ等でよく載せているように「ネックストラップで持ち歩く」ような気になるか? と聞かれるとちょっと... なにせこれを首からさげて持ち歩いたら、歩くたび胸骨にゴツゴツと当たって痛いこと限りなしだと思われる。

次に、画質はどうかと聞かれると、キレがないのにコクがあるというか、ほんわかとした独特の描写をするので、これは人によりけりだろう(個人的にはキライではないが、もちょっと画素数に見合うシャープさが欲しいような気も...)。

ズームについては、申し訳程度についていると思ったほうがよい。いずれにせよカメラの基本は「被写体に近づいて撮る」ことだから、なにも問題にはならんだろう。

操作面だが、電源スイッチが上面にあるのは少し使いにくい。再生/撮影切り替えスイッチを電源スイッチにして欲しいぐらいだ。せっかく携帯性に富んでいるのに、電源が入れにくいのでは、かなりシャッターチャンスを逃すことにもなろう。改善を望みたい。あと、A5 Zoom もそうだったが、相変わらず操作系がよろしくない。十字キーをつけるなどして、メニューの選択をしやすくするなどの工夫は必要だろう。モードダイアルの廃止もサイズを考えると致し方ないかと思われるが、ズームをここに持ってくるならもうちょっとやりようがあったろうにとも思う。苦言が続いたが、再生時の [<<][>>]キーの長押しで、高速プレビュー動作が可能になっている部分については随分な改善でとても感心した。こういったちょっとした工夫が消費電力の削減に役立っているのかも知れぬ。

いずれにせよ、IXY DIGITALは、必要なときに手元にあり、すぐに撮影→確認できるという携帯性と手軽さを兼ね備えている。これは、一眼レフにはないデジカメの最大の特長であるゆえ、この IXY DIGITAL はとても便利なアイテムとなろう。


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