ここ2年近く愛好してきた IXY DIGITALだが、購入後1年を経過したころから使い物にならなくなってしまった。というのも、なぜか満充電のバッテリを入れても、ひたすら「バッテリーを交換してください」を表示するのみで、全く撮影モードが動作しなくなってしまった。その割には、再生だけは何の警告もなくすんなり動作するのが不思議だ。しかも、予備で追加購入しておいたバッテリでも全く同じ現象というのがどうも不快でたまらない。何も保証期間切れた直後に壊れることはあるまいにねぇ...
とうとうバッテリがいかれてしまったのか、はたまた充電器がお亡くなりになったのかと思い、ある日、えいちゃんの持ってるIXYにバッテリを入れてもらうと何の問題もなく、すんなり動作した。さらに、えいちゃんの使ってるバッテリを借りてウチの IXY DIGITAL に入れてみると全然ダメ。ということは、あからさまに IXY DIGITAL 本体の故障か!? あーあ。故障するほど使っていないというのに腹立たしい...。となると、買い足ししかないのかなぁ...。そもそも、撮影のできない再生onlyのデジカメなど何の役にも立たんではないか!!
そう思いつつ、機会があるたびにデジカメを物色していたが、さすがにいったん IXYを使ってしまうと大きく重いデジカメはダメな体になってしまっていた。かといって、IXY DIGITALの現行機種はやはり5万前後ととても手の届く価格ではない...。そんな中、タイムリーに CASIO EXILIM(impress様の記事:カシオ、厚さ11mmのカード型デジカメ「EXILIM」を発表)が発表され、実売3万円という値段も魅力的で当時とても気になったが、よくよく調べてみるとマクロ撮影ができない、ズーム撮影もない、ということで見送りとなった。まぁ100歩譲ってズームは不要だが、風景撮影以上にメモ用途としてデジカメを使ってる私としてはマクロ撮影は必要な機能だ。
その後 GW 空けにみみゆき様が自分用に Canon PowerShot A40を購入した。このデジカメはとても自然な描写で、電池の持ちも極めてよく、操作性もホールド感もしっくり来る感じでカメラとしてとてもよくまとまっているのでとても感心したものである。ん、ちょっと待てよ? これぐらい電池が持つんであれば(最悪切れても単三電池ならどこでも売っているし)、IXY DIGITALのように予備バッテリや充電器を持ち歩く必要がないので、逆に荷物としては減るんじゃなかろうか? ということは、本体の小型さにこだわるより、電池の持ちがよいデジカメを選んだ方がよほど現実的ではなかろうか?
とは言うものの、さすがに個人別にデジカメを持つというのも勿体無く、なかなか購入に踏み切れない状況が続いていた...。
ついに半年以上が経過し、ボーナス商戦真っ只中の 12月11日、仕事帰りにふらふらとビックカメラに寄ってみると、ワゴンに Canon IXY DIGITAL 300 が 29,800円という値段で置いてある。 うーん、旧機種でそれなりに安いと言えば安いけど、発売時期を考えると激安というほどでもないなぁ。と思い、そのまま通り過ぎる。と、家電コーナーに行くと、クーポン券が山積みになっている。「ああ、そういえば今月はクーポン配ってるんだったなぁ」と思い、手に取ると、デジカメのクーポン券もついている。ん、29,800円なら、1,500円引きで 28,300円かぁ... 10%ポイント還元もつくから 25,000円ちょっとぐらいになるかなぁ...。
25,000円といえば、ちょっとしたコンパクトカメラ並みの値段だし、デジカメとしてはお買い得な価格といえるだろう。それに、この機種なら私の希望であるマクロ撮影も問題なし、ズームも光学3倍だ。操作性も PowerShot A5 Zoom → IXY DIGITAL → PowerShot A40 という変遷の中で Canonデジカメの操作は良くも悪くも身に染み付いてるから(笑) 全然問題にならないだろう。今買えば年末年始も使えるし、さらに、今まで使っていた IXY DIGITAL の充電池やメモリカードはそのまま使えるから追加投資も不要、と、ここまで考えると、もう、まさに私に買われるためにワゴンに乗っかっているような錯覚に陥るので不思議なものだ(笑) 以上のいきさつによりみみゆき様に一声電話をかけて保護する。
箱を開けてまず最初に「うーん、でかくなったなぁ」というのが率直な感想。IXY というより PowerShotシリーズと言ってもよいほどの大きさかも知れない。と思い、PowerShot A5 Zoom と IXY DIGITAL を引っ張り出してきて並べてみる。
写真は左から順に PowerShot A5 Zoom 、IXY DIGITAL 300(今回購入)、IXY DIGITALであるが、まさしく中間の大きさと言った感じだ。初代 IXY DIGITAL は身につけて常に持ち歩けるぎりぎりの大きさというある意味小気味よさみたいなのがあったのだが、その感じが完全に失われているのは残念。また、大きさに伴い重量も随分増えた感じがする。評論家の先生方は「重量が増えた分ホールド感が向上した」などと書かれているが、私個人的には全く逆の印象だ。IXY DIGITALシリーズの場合、重心は左半分にある。しかも、IXY DIGITAL初代より 300の方が機構部が重くなった分、明らかにバランスが悪く持ちにくくなっている。そんなわけで、個人的には「IXY DIGITAL 300 片手にスナップ写真」というノリは存在しないと思う。
デザインも初代IXY DIGITALが精悍なフォルムといった感じだったのに、ちょっとだけ間が抜けて野暮ったい感じがする。しかも、大部分のエッジ部が曲面としてデザインされているのも必要以上にずんぐりむっくり見せる感じがしてなぜこんなデザインにしたのか全く理解できない。
画質面だが、発色は IXY DIGITALに比べ自然な感じになったような気がする。また、 IXY DIGITALでは 200万画素をなんとなく生かしきっていないという印象があったのだが、そういった面も随分改善されているように思う。
機能面では簡単な動画撮影もでき、それなりに遊べる。また、夜景モードが追加されており、意外と使える。ただ、やはり人物はぶれやすいので夜景モードでも三脚があるとよいと思う。
操作面としても、何より嬉しいのがモードダイアルの搭載。IXY DIGITALでは、モードを切り替えるのに一苦労といった感じで、電源入れて即シャッターと言う感じではとてもなかったのだが、300ではとても直感的に操作できる。ただ、欲を言えば電源スイッチを独立させずに EOSシリーズのようにモードダイヤルと一緒にして欲しかった。あと、ダイヤル部分が結構右に寄っているので、意外と片手では操作しにくい。一方、ズームは親指で操作できるスイッチになり、IXYと比べて操作性が向上しているように感じる。
その他細かいところ。まず、バッテリ寿命が大きく伸びているような気がする(もっとも前使っていた IXY DIGITALがバッテリ周りに問題を抱えていたことを考えると素直に比較してよいとは思えないが)。IXY DIGITAL のものと合わせて合計3個のバッテリパックになったわけだが、私の使い方なら3個もあれば1週間は持つんじゃなかろうかという感じすらする。また、バッテリ充電器も前回のは赤色LEDだけの表示だったが、今回のは赤・緑の二色表示になったこともあり状態がとても見やすくなった。さらに、随分と小型化されているので持ち歩きも便利だ。
個人的にはこのタイミングでこのお値段で購入できて十分お買い得だったといえるが、1台目のデジカメとして発売当初に買われた方は 85,000円という定価を考えると、他に A20とか IXY DIGITAL 200 とか選択肢があるだろ?という突っ込みをしてみたくもなる、そんな不思議な製品だ。