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[2004.01.17] 自作パソコン、新調!

約4年ぶりのシステム更新

デュアルディスプレイ

3ヶ月前に書き込みDVDドライブを導入して、MPEGエンコードなどの作業を行う機会が出ることとなった。しかし、組み立てから既に約4年半が経過した440BXベースのPCにとっては荷が重すぎたのか、あらためてスピードの遅さや、ビデオ性能の貧弱さというものを痛感させられることとなった。だいいち、MPEGエンコードといかないまでも、ちょっとした作業をするだけでCPU占有率がひたすら100%に張り付いているという有様である。そろそろ厳しいなぁ...。

思えば、この3年間に数々の新技術なり新規格が出てきた。Pentium 4 は HT(Hyper Thread) Technology が標準搭載となり、FSB は 800MHz に... HDD も 流体軸受は当たり前で、今時の I/F は Serial ATA。周辺機器においては、USB 2.0 対応が一気に進んだ。メモリもPC3200、ビデオだって AGP 8X が標準だ。次期 Windows(Longhorn)のリリースも来年になると言われていることだし、リリースされてもドライバ群が安定するまでは1年ほどかかることを考えれば、まさに今がPC本体のリプレース&Windows XP 導入にとって絶好のタイミングだといえる...。

以上の経緯から、ここ数ヶ月どうしようかと考えてきた。一昨年ぐらいには AthlonXPあたりが良いかなぁなどと考えていたのだが、今時なら HT Pentium 4 に Windows XP Proという感じになるのだろう。ところで、最近のメーカー製PCやショップブランドPCの価格はとにかく安い。Windows XPにビデオキャプチャボードにTVチューナに書き込みDVDドライブにと機能はてんこ盛りなのに15万円前後となれば、今時、部品買い集めて自作することの価格面におけるメリットは皆無といってよいだろう。ひょっとしたら、○ELLのパソコンでも買ってOS&部品取りにしたほうが安いかもしれぬ。しかしケース捨てるというのもあんまりだしなぁ (^^;

部品選定

そんな土曜の昼下がり、ふと思い立ってパソコン工房に出かけてみる。この時点では、単に価格調査のつもりであった。しかし、その特価品ワゴンで見たものは... MSI製の 875P M/B が 9,980円ですか!? これは安いっ! これは今すぐ買えという神の御加護御啓示やも知れぬ ^^; 箱を手に1分ほど悩み、とりあえず店員さんに一通り見積もりをお願いすることに...。

部品 価格 選定理由
CPU Intel Pentium(R) 4 Processor 2.60CGHz 18,780円 前回自作したときには、Celeron と Pentium には約3倍の価格差があったため、Celeronを選んだ。当時の比較をすると... FSB[Celeron:66MHz/Pen3:100MHz] L2キャッシュ[Celeron:128KB/Pen3:256KB] という感じになるので、Celeronのコストパフォマンスは群を抜いていた。しかし、現在では、価格差も約1.5倍まで縮小する一方、性能差は FSB[Celeron:400MHz/Pentium 4:800MHz] L2キャッシュ[Celeron:128K/Pentium 4:512KB] と逆に拡大。さらに、Pentium 4における HTテクノロジの存在を考えれば、自作において Celeronを積極的に選択する理由はなくなったといってよいだろう。
あとは動作周波数であるが... CPUの演算性能自体がボトルネックであった大昔とは違って、CPUの内部クロックがちょっと変わったぐらいでシステムのパフォーマンスが大きく異なるということはないので、コストパフォーマンスを考慮して 2.6CGHzとする。
M/B MSI 875P Master-FA 9,980円 現時点での最新チップセットとなる875Pを搭載。AGP 8X, Serial ATA(2ポート), ギガビットLAN, USB 2.0, mini PCI, サウンドと一通り揃っている。(足りないといえばIEEE1394ぐらい? まぁ 1394ボードは既に持ってるから別に困らんけど)
ところでGbEって... ウチでは、何にどうやって使うんでしょうか(笑) まさに宝の持ち腐れか!? ^^; (数年後にはギガビットで繋ぐ相手もあるかも知れぬが、それまでこの M/Bが現役かどうか...)
ビデオカード GeCube GC-R9200L(SE)-C3 6,280円 ATi RADEON 9200SE-128相当。正直、ビデオについては何を選んだらよいかさっぱり見当がつかないので、「3D描画の必要なゲームなどはまずやらない、2D性能は速いほうが良い、デュアルディスプレイにしたい、安い方が良い」という条件でお願いしたらこれになった。AGP 8X 対応で廉価でとてもよかったと思います。
HDD Seagate ST3120026AS 10,280円 今回は久々の Seagate。7,200rpm 流体軸受の120GB品。ついに憧れの Serial ATA ですよ!! ところで、S-ATA HDDは、従来と電源コネクタ仕様が変わっているというのをすっかり失念しておりまして、翌日、変換ケーブル(ADE247) を 580円で入手。後日、よくよくM/Bの付属品をチェックしたら、実は電源変換ケーブルが入っていた。かなりショック!
メモリ PC3200 512MB CL2.5 バルク ×2 12,760円 合計1GBっすよ、1GB! メモリの単位は KB、HDDの単位は MBじゃなかったんですかねぇ?(苦笑)。メモリが MB単位になったときも隔世の感があったが、その1024倍ですか...。
OS Windows XP Professional SP1a OEM 19,800円 本当は Windows 2000 が好きなのだが、そのままでは HTの持ち腐れになってしまうのでこの機会に泣く泣く乗り換える。パーツの安さに比べてOSのこの値段が適正かと言うと、ちょっとなぁ...。

直販PCの値段などを考えると、せめて6万円ぐらいで納まって欲しいと思っていたが、いざ合計して消費税を加えると、なんと81,774円。店員さんから金額を聞いてしばし呆然とする。かといって、何一つ削るものがない...。なんとも中途半端な値段なので、せめて端数を丸めてもらうべく価格交渉したが「とにかくPCパーツは利幅が薄い商品なので勘弁してくれ」とにべもない ;o;

価格を下げるとすれば、(1)S-ATA HDDを諦める (2)メモリを半減する (3)ビデオカードのランクを下げる という感じになる。各々について検証すると (1)S-ATA と E-IDEの価格差は1000円程度。ビデオ編集などを考えると ATA/100までのパフォーマンス低下はちと苦しい。(2)今回、仮に 256MB×2で運用しても、いずれメモリ増設は必要になると思われる。スロットは4つしかないので、256MB×2 もしくは 512MB×2 を増設するのかとても悩ましいし、それはそれで追加投資としてはかなり痛い。(3)ランクを下げても2千円浮くかどうかだし、デュアルディスプレイ不可になるなど制約の方が大きい。うーむ、悩む...。ホントは Windows XP Proを省けるのが一番いいのだが、そうもいかんしなぁ ^^;

結構悩んだが、やっぱり8万円は巨額であるので即決できず、取り置きだけしてもらいすごすごと帰る。車に戻り、積んでおいた雑誌に載っているパーツ価格をチェックする。なるほど、これはこれで妥当な価格であろう。

とはいえ、このまま購入というのも芸がない。とりあえず、ポイントカードにポイントがある程度溜まっているので、多少の差額ならヨドバシで買ってもいいかもしれない...などと思い、その足でヨドバシに向かう。早速、パーツの同等品の価格もチェックするが、10%ポイントバックを考えても全然話にならず。こりゃダメだな。ここで、今回の購入計画を考えると DVIケーブルが必須であることを考え、溜まっているポイントを使い サンワサプライ KC-DVI-2(2m DVI-Iケーブル:1,880円)を入手する。

さて、これ以上何店も回っても交通費と時間の浪費に見合うだけの値引き効果が出そうにないこと、カードで払えるということを考慮し、PC工房に向かいそのまま購入。(なぜか Windows XP OEM の在庫がなく、取り寄せのため翌日まで待たされる ^^;)

製作雑記

さすがにケースのメンテ性が良いだけのことはあって、組み立て自体はスムーズに進む。ブート時に初期化が毎回失敗し、毎回 F1キーを押して起動させるというトラブルがあったが、これは MSIのサイトから最新BIOSを持ってくることであっさり解決した。

Windowsのインストールが終わったところで一通りのアプリをインストールし、XPのレジストレーションを行う。最後に、これまで使っていた HDD(Windows 2000の起動ドライブ)をつなげてみたところ、いきなりWindows 2000が起動してしまい、エラーを吐いて停止。その後、肝心の XPが起動しなくなってしまうというというトラブルが発生し、一からの再インストールを余儀なくされた。このM/Bにおける ATAの起動順序は、デフォルトでは Primary→Secondary→S-ATA の順になっているようで、接続直後の BIOS設定をうっかり忘れると S-ATAから起動せず大変なことになってしまうようだ。(その後、Windows XPの再レジストレーションができずに難儀した。諦めて放置し、翌日再度試したらあっさりレジストレーションに通ったのでそれはそれでよく分からんが...)

使用感

画面のプロパティ

さすがに現在実用上考えられる最新性能の組み合わせに近いだけあって快適そのものである。HTの恩恵については... 正直よく分からない。だいいち、通常の使用においてCPU占有率は常に数%以下なので、HTの恩恵が分かるほどの場面が出てこない(MPEGエンコードとかさせないと分からないんだろうな)。流体軸受の静粛性については、PCケースの煩い冷却ファンで帳消し ^^;

SHARP LL-T1620-H(DVI接続)とIO DATA LCD-A16H(アナログ接続)で構成するデュアルSXGA環境については何の問題もなくあっさり動作(画面のプロパティは右図)。作業スペースが倍増して非常に快適。これで、2台の液晶モニタが同一機種でともに狭額縁タイプだとさらに違和感なくなるんだろうけど... 贅沢言い過ぎかなぁ?

期待以上に良かったのが、Windowsの起動時間が大幅に短縮されたこと。もともと Windows XP の起動プロセスが Pentium 4に最適化されているというだけのことはあって、これまでの Pentium III+Windows 2000の起動と比べて半分以下の時間で済んでいるようだ。さらに、重いという印象のあった Windows XPだが、これまでの Pentium III+Windows 2000 の組み合わせに遜色ないスピードで動いている(もちろん、インストール直後から速攻クラシック表示ですけど)。

全体を通しては、当初予想したよりも快適で、できることなら私のアタマにもHTテクノロジを搭載したいと思ってみたりするのである...。


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